これからのリーダーシップ (単行本)
基本・最新理論から実践事例まで
- フォーマット:
- 単行本 電子書籍
著者 | 舘野 泰一 著 堀尾 志保 著 |
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ジャンル | ビジネス書籍 > リーダー・管理者・マネジメント |
シリーズ | ビジネス/組織を成長させる本 > チーム、リーダーシップ、マネジメント |
出版年月日 | 2020/03/28 |
ISBN | 9784820727842 |
判型・ページ数 | A5・256ページ |
定価 | 本体2,000円+税 |
「リーダーシップ」という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かぶ人物は誰でしょうか。アメリカ公民権運動の指導者であるキング牧師、非暴力でインド独立を導いたマハトマ・ガンジー、アマゾン・ドット・コムを率いるジェフ・ベゾス…など、人それぞれに思い浮かぶ人物は様々でしょう。
時代によりリーダーの代名詞は変わりますが、洋の東西を問わず、人々を率いるリーダーのあり方は関心を持たれ続けてきました。本書は、「最も研究されているけれども、最も解明が進んでいない領域」(Bennis & Nanus, 1985)ともいわれるリーダーシップ論に関し、これまでの研究の転換点、最新の研究潮流と合わせて、リーダーシップの発揮・教育に向けた具体的な実践方法について紹介していきます。
本書は、具体的には以下の方々のために書かれた本です。
・組織の管理職
・管理職を選抜・育成する立場にある人事・教育担当者
・リーダーとして、リーダーシップを発揮する立場にある人
・ 公式の役割は担っていないが、目的の実現に向けて、リーダーシップの発揮を目指す人
・リーダーシップ理論の基本と新潮流を学びたい人
リーダーシップに関係のある立場の方であれば、ビジネスパーソン、学生を問わず活用できる内容になっています。
リーダーシップというと、経営者や政治家などのごく一部の人だけに関係のあることだと思っている人もなかにはいるかもしれません。しかし、何かの目的をもって人が集まれば、必ず、まとめ役や、影響力を発揮する人が必要になります。それは、公式な役職に就いているかどうかとは関係がありません。リーダーシップは、特別な立場にある人のためだけのものではなく、誰にも関係があり、役立てていけるものなのです。
さて、ではリーダーシップとはいかにあるべきでしょうか。その考え方は、これまで時代や経営環境の影響を多分に受け、変遷してきました。リーダーシップ研究の転換点を概観することは、リーダーシップの本質や新たな時代に求められるリーダーのあり方を考えるうえでたくさんの示唆を与えてくれます。
一方、リーダーシップの発揮に向けては、理論をアタマで学ぶだけではなく、実際に経験し、カラダで学ぶプロセスも欠かせません。どんなに優れた人でも一朝一夕にリーダーシップを発揮できるようにはなりません。練習を重ね、試行錯誤し、自分や自分のチームにフィットするやり方を学び続けることで、はじめて効果的なリーダーシップを発揮できるようになります。
そして、経験を積む前提として、先人たちの研究成果である「理論」を知っておくことは大変に意義があります。なぜなら、皆さんが直接会って、話すことができるリーダーの数には限りがあるからです。優れたリーダーと直接接し、○○さん流のノウハウを学ぶこともとても有用ですが、直接接することができる人からの学びだけでは、偏った学びになってしまうこともあります。
リーダーシップ理論の全体像を理解していれば、チームや組織における活動のなかで様々な出来事に遭遇した際、複数の理論と照合して、役立つものを選び取ることができます。理論は、「勉強」のためにあるのではなく、「実践」に活かしてこそ意味があります。
本書は、2部構成になっています。
第1部は、「理論編」です。
第1章では、リーダーシップ研究のこれまでの変遷を確認し、第2章では、リーダーシップ研究の新たな潮流について解説していきます。
第2部は「実践編」です。第3章では、企業や大学でリーダーシップ教育を設計・評価する方法を解説し、第4章では、リーダーシップ教育やリーダーシップ発揮について、企業・大学・個人の実際の事例を紹介します。
皆さんご自身、また皆さんが属するチームや組織にあてはめながら読み進めていきましょう。本書が、皆さんの、そして皆さんの周囲の人々のリーダーシップ開発のきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。
第1部 理論編
第1章リーダーシップ研究の変遷
1.リーダーシップ研究の転換点
2.識者による偉人伝から始まった 特性理論
2-1.最初のリーダーシップ研究
2-2.科学的検証により衰退した特性論
2-3.そもそも特性とは何か
2-4.特性論への再注目
2-5. リーダーシップを考えるうえで特性がもつ意味
3.リーダーの「行動」に着目した 行動理論
3-1.リーダーの「行動」への着目
3-2.アイオワ研究
3-3.リーダーシップ行動の不動の2軸
3-4.マネジリアル・グリッド理論
3-5.PM理論
3-6.2軸の有効性は状況に依存する
4.「 状況」に着目した 状況適合理論(コンティンジェンシー理論)
4-1.リーダーシップのあり方を左右する「状況」
4-2.コンティンジェンシー理論
4-3.パス・ゴール理論
4-4.シチュエーショナル・リーダーシップ理論(SL理論)
4-5.リーダーシップ代替論
4-6.リーダーシップは間にこそ宿る
5. リーダーとメンバーの「交換関係」に着目した 交換理論
5-1.リーダーとメンバーの間に生じる交換関係
5-2.リーダーになる3つの入り口
5-3.信頼蓄積理論(特異性-信頼理論)
5-4.LMX理論
5-5.交換理論の限界
6. 組織を「変革」できる経営トップの特徴に迫った 変革型リーダーシップ理論
6-1.激変の時代に待望された変革型リーダー
6-2.ビジョナリー・リーダーシップ
6-3.カリスマ型リーダーシップ
6-4.変革型リーダーシップ
6-5. あるべき像を示すだけではリーダーは育たない
第2章リーダーシップ研究の新潮流
1. 優れたリーダーへと育つプロセスに着目したリーダーシップ開発論
1-1.リーダーシップはいかに育まれるか
1-2.リーダーシップを育む「経験」
1-3.リーダーの「意識」の発達
2.グループ全体で発揮する 集合的リーダーシップ
2-1.リ ーダーシップは公式のリーダーだけのものではない
2-2.シェアド・リーダーシップ
2-3.コレクティブ・ジーニアス
2-4.DACフレームワーク
2-5.集合的リーダーシップが機能する条件
3.変わりゆくリーダーとメンバーのあり方
3-1. 公式なリーダーとメンバーに求められるあり方の変化
3-2.サーバント・リーダーシップ
3-3.オーセンティック・リーダーシップ
3-4. 非役職者によるインフォーマル・リーダーシップ
3-5.リーダーシップ研究の新潮流のまとめ
第2部 実践編
第3章リーダーシップ教育の実践
1.リーダーシップ教育が求められる背景
1-1.企業を取り巻く環境の変化
1-2.教育機関でおこなわれるリーダーシップ教育
1-3.リーダーシップ教育の重要性
2.リーダーシップ教育の枠組み
2-1.リーダーシップ教育とは
2-2.リーダーシップ教育の教育目標とは
2-3.リーダーシップ行動とは
3.リーダーシップ教育の手法
3-1.リーダーシップ教育の体系
3-2.経験学習型リーダーシップ教育の設計
3-3.本節のまとめ
4.リーダーシップ教育の評価
4-1.評価に関する研究の現状
4-2.経験学習型リーダーシップ行動尺度
4-3.リーダーシップ教育の評価に関する実践
4-4.評価における今後の課題
5.本章のまとめ 000
第4章事例紹介
CASE1 IBM(企業でのリーダーシップ教育事例1)
CASE2 ジュピターショップチャンネル(企業でのリーダーシップ教育事例2)
CASE3 立教大学経営学部BLP(Business Leadership Program)(大学でのリーダーシップ教育事例)
CASE4 クレディセゾン 志賀正樹さん(個人のリーダーシップの発揮事例)
おわりに